あおのりん!

おのりんです。なにとぞよしなに。

物語の話

こんにちは、私です。

私は物語を消費するのが大好きです。みなさんは、物語ですか?

物語から語りの構造やナラティブに、つまり文学や心理へ話を進めてもいいのですが、今日はもう少しマスな、身近な物語のお話です。テレビをつけると映るあれです。

 

結論から言いますと、今期のドラマやアニメのクオリティやばくないですかというお話です。

具体的には『カルテット』の話をします。あと、『昭和元禄落語心中』。『クズの本懐』もすごくとてもよいのですが、尺の都合で今は控えましょう。

www.tbs.co.jp

rakugo-shinju-anime.jp

 

(今気付いたけどTBS系だ)(あと、椎名林檎だ)(あ、編曲も齊藤ネコだ!)

 

『カルテット』はよいものですよ。

 

私、ファミリー向けのドラマとコアなファン向けのドラマは別物だと思っています。

そしてこの『カルテット』は明らかに後者です。

事件は静か。伏線は芝居に任せる。会話の本質は台詞ではなく間。ドラマは事件を描くものではなく、人間を映すもの。

あと、これは私の好みの問題なんですが、恋愛の構造がシンプルじゃないのが好きです。既婚者であることや婚約者の存在は、その人物が恋愛のステージから降りることと同義ではありません。誰かに恋心を抱いている人は新たに誰かに惚れないなんて誰が決めた。

 

いいですか、私が一番嫌いな恋愛ドラマは、ボーイミーツガールではじまり、葛藤を生みだすためだけの薄っぺらいライバルキャラが出てきて、予定調和でメインキャラがくっつくだけの情報量がゼロのドラマです。

好きな恋愛ものは二種類あるのですが、一つは二人の関係性が安定している。争わず、自分もこうありたいと思える、事件のないもの。いつぞやのドラマの『デート』とかいいですね。

そしてもうひとつ。いい大人が悩む、汚い手を使う、汚れる、苦悩する、そして乗り越える。そんなドラマ。この浄化の瞬間のために1クールのうち11週くらい使っていいと思います。最初の1週は説明回。

これらを美しく組み上げるのは脚本家の技術ですし、演出の力でお客様に伝わる形に整形します。役者はそのための最高の素材として光を浴びます。これらがぴったりと合わさった時、それはもう最強ですよね。美しい。

 

だから『カルテット』は良いんです。

細かい技術的なことを言えば、天丼の打ち方だったり、記号の置き方、音楽の効果、PVの美しさにも言及したいくらいですが、あまりすべて言うのも野暮なので。

 

ちなみに『カルテット』の対比は『東京タラレバ娘』なんですが、これはもうやらかしの連鎖がすごいですよ。

昔、広告代理店が舞台のオフィスドラマがあったのですが、タラレバ娘の主人公はドラマの脚本家です。なんで楽屋落ち設定にしちゃったのかなあ。あと、恋愛を市場的に、戦略的に描いているわりに、コントロール感が全くない。なので、主人公たちは何者でもないんです。意思がない。何者でもない三十代が環境に振り回される様子を描くドラマ。どないせいと。ついでに言えば相手に彼女がいるだのなんので即刻降りる様子も随分と随分。

 

はぁ……『カルテット』好き……

 

そのうちに『昭和元禄落語心中 ―助六再び篇―』を褒めます。

第一期が感情を抉り取る優しくどうしようもない素敵な物語だったので、二期もきっとよいことでしょう。

 

物語は素敵ですよ。能力と資源を投下された美しい作品です。

フィクションでしか描けない人間の一面があります。浸りましょう。

 

今日のまとめ。『カルテット』は素敵。